「過去に付き合っていた相手が、ストーカー行為を行うようになった」
「DVを行っている交際相手から身を隠すために改名をしたい」
「ストーカーから身を隠して生活していたのに、会社で名前を公表しなければいけなくなった」

DV相手、ストーカーから被害にあっている人、あっていた人(特に女性)は、被害にあわないために、身を隠すために改名をしたいという相談を頂くことがあります。

それでは、実際にそういった理由がある方は改名をすることが可能なのでしょうか。

手続きの方法、改名の可能性などについてご案内させて頂きます。

まず相手が不当に住民票を取得しないよう制限する(支援措置)

まず、改名手続きをする前に、DVやストーカー相手から不当に住民票の請求をされ、住所地が判明されるのを防ぐために、役所に住民票・戸籍の附票等請求の制限する手続きをしましょう。

この申し出をしていることで、改名の申立の際に証拠となりますし、相手から不当に住民票の請求をされることを阻止することができます。

なお詳しい内容については、総務省の記事もご参照ください。(総務省HP

住民票等の閲覧制限の申立先

住民票

申立先は次の通りです。

・住民票の制限:住民票のある市区町村役所

・戸籍の附票の制限:戸籍の附票のある市区町村役所

戸籍の附票とは?大阪市役所HP

なお、引っ越しをされる際は、転入届出と一緒にする必要があります。

詳しい手続きについては、それぞれの市区町村役所に問い合わせてみましょう。

住民票等の閲覧制限の期間

支援措置の期間は、申し立てをしてから永久に続くわけではなく、閲覧制限の結果を申出者に連絡した日から起算して1年のみ有効です。
期間を延長する場合は、期間終了の1か月前から、延長の申出をすることで延長することができます。
延長後の期間は、延長前の期間の終了日の翌日から1年間有効となります。

改名に必要な手続き

それでは次に、DV、ストーカーの被害者の方が名前を改名するにはどうすればいいのでしょうか。

名字、名前を改名するためには家庭裁判所で「氏の変更許可申立」または「名の変更許可申立」をして、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

より詳しい手続きの流れについては氏・名の変更のお手続きの流れをご参考下さい。

どういった場合、変更できるの?

ストーカー

DV、ストーカーの被害者の方が家庭裁判所で改名の手続きをした際に、どのような場合認められやすくなるのでしょうか。

改名の申立てが許可されるかどうかは次の観点から判断されます。

1.改名の動機が正当であり、必要性は高いか
2.改名による社会的影響は低いか

つまり、「いかに正当で必要性が高く、社会的に悪影響を及ぼすことがない」ことを伝えていく必要があります。

具体的には次のようなものが理由としてあげられます。

 

・被害にあうまでの相手との経緯

 

・DV等被害の経歴


(例:骨折、火傷等)

 

・個人情報などの対策をしていること

(支援措置の証明書、通称名等)


・通称名を使用している

 

認められやすくなる証拠書類は?

書類

DV、ストーカーの被害者の方がいかに改名をする必要があるのかを裏付ける証拠資料が必要となります。

証拠資料として提出するものには次のようなものがあります。

 

・DV等被害にあってきたことが分かる書類

 

(診断書、けがの写真など)

 

・個人情報などの対策をしていることが分かる書類

(支援措置の証明書、通称名等)

 

・過去の被害についての経歴書


・通称名を使用している証拠資料

 

DV等被害にあってきたことが分かる書類

DV、ストーカーなど被害にあっている場合、それを証明する資料を提出することが望ましいです。

DVであれば、過去にDVを受けたことによって診断、治療してもらった診断書、その傷跡が残っている場合は、その傷跡の写真などになります。

ストーカーであれば、相手からの文書、嫌がらせの証拠写真などになってきます。

個人情報などの対策をしていることが分かる書類

DV、ストーカーなど被害にあわないために、自分の個人情報はできる限り出ていかないように対策をしているのであれば、それを証明する資料を添付した方がいいです。

例えば、「住民基本台帳の閲覧等に関する支援措置」の控え、証明書や、インターネットや友人関係で使用している通称名の資料などになります。

つまり、DV、ストーカーなどの被害にあわないための通称名の使用はそのまま通称名の資料として活用することができます。

過去の被害についての経歴書

仮に過去の被害にあったことを診断書などで証明できるものではない場合でも、その過去に合った事実を伝える方がいいです。

例えば、
・〇年〇月〇日 相手から包丁を突き付けて脅され、その際に警察沙汰になってしまった。

となります。

通称名を使用していることが分かる書類

DV、ストーカーを理由に改名する場合、短い期間でも通称名を使用していることが重要です。
変更したい名前の使用実績となる資料としては、裁判所の判断にもよりますが、次のようなものがあります。

・公共料金の明細
・年賀状
・手紙
・メール
・契約書(契約相手には通称名であることを伝えておきましょう)
・名刺
・新聞、地域紙(自分のことが掲載されているもの)
・健康保険証(会社が通称名で登録してしまうと発生します)

却下されてしまった場合の対応

裁判所4

万が一申し立てが却下されてしまった場合は、どうすればいいのでしょうか?
方法としては次の方法があります。

詳しい内容については、こちらの記事をご覧ください。
改名を取下げるべき?却下された場合は?

 

・却下の判決をうけてから2週間以内に即時抗告の申立てをする方法

 

・通称名の実績を積み上げて再度申し立てる方法

 

却下の判決をうけてから2週間以内に即時抗告の申立てをする方法

家庭裁判所が改名の申立てについて却下をした場合、却下判決に不服がある場合、不服の申立て(即時抗告)をすることができます。

即時抗告をした場合、一旦、審判を下した家庭裁判所が審査します。明らかな間違いなどがあった際には、審判を変更する場合があります。

審判を下した家庭裁判所の判断に変更がない場合、高等裁判所で審査をした後、許可、不許可の審判を下します。

通称名の実績を積み上げて再度申し立てる方法

却下の判断がされた後、通称名で使用実績を積んでから再度、名前の変更許可の申立てをすることが可能です。
使用実績を3年ほど積まれた後に、再度申し立てをすることをお勧めします。

まとめ

DV相手、ストーカーの被害にあっている方(特に女性)は非常に多いのですが、それを解決する方法として、被害にあっている方が身を隠すという方法がとられることが多く、根本の解決ができない方が多いです。

さらには、名字、名前の改名についても必ずできるという訳ではないので、そのような被害にあった方は、恐怖を抱えながら生活をされている方も多いのではないでしょうか。

この記事を読まれて少しでも改名手続きのご参考になったのでしたら幸いです。

 

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